認知症の高齢者に対する介護士の仕事内容は、主に日常生活のサポートです。認知症の高齢者は、認知症になる前までは自分でできていたことができなくなったり、覚えていたことを忘れてしまいます。介護士は、こうした認知症の症状や進行具合を確認しつつ、高齢者ができなくなってしまったことや忘れてしまっている部分をフォローしていく役割を担います。もちろんできなくなったことや忘れてしまったことばかりを意識するのではなく、認知症を抱えていても高齢者ができることや覚えていることを維持できるようにサポートすることも認知症ケアの一環です。
このように失った能力のフォローを中心として、残っている能力も活かせるようにフォローしていくことが介護士の重要な仕事です。ほかにも介護士の認知症に対しての重要な仕事と言われているのが、認知症の高齢者が安心して生活できる環境を整えてあげることだといわれています。そもそも高齢者は環境の変化による心身の負担やストレスを受けやすく、認知症のある高齢者になるとさらに環境の変化によるストレスを感じやすい傾向が見受けられます。そのため、グループホームなどの入居施設で働いている介護士はもちろん通所系の施設で働く介護士も、認知症の高齢者が環境の変化で認知症を悪化させないようにコミュニケーションをとる必要があるのです。相手を否定せずに受け入れるように接することで認知症の高齢者も徐々に環境に慣れていくので、症状の悪化を防ぐという意味でも重要な仕事として挙げられます。